muscovite

モスコバイト(白雲母)は普通は無色あるいは銀白色ですが、一般的にビーズとして流通し玉屋でも好んで使用しているものはマンガンによって赤く色づいたモスコバイトです。モスコバイトという名前はロシアウラル産地の西方にあるモスコバイトの大産地・マスコビーに由来します。マスコビーは現在のモスクワです。

透明で大きな結晶が産出し、その板状結晶によって好みの厚さに剥ぐことができ、さらに弾性があって割れにくいので、工業的なガラスが製造される前の時代、寒さを防ぎ太陽の光りを屋内に取り込むことができたモスコバイトは、数百年にわたってヨーロッパで窓材として大いに珍重されていました。モスコバイトはさらに耐熱性にも優れているので、ストーブやオーブンの覗き窓や、ランプの窓材として利用されていました。

モスコバイトの粉は整腸薬や強壮薬としても用いられ、奈良の正倉院の「種々薬帳」にも「雲母粉」と記載され、実際のモスコバイトの粉の包が納められています。
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