labradorite/moonstone

ラブラドライト(曹灰長石)はアマゾナイトやサンストーンと同じ長石グループの石で、1770年にカナダのセント・ポール島のラブラドル半島で発見されたことに由来しています。特徴的な青や虹色の閃光効果(シラー効果)を景色にもつ美しい石で、この閃光効果は、石を構成する結晶が非常に微細かつ薄層でその境界面から短いサイクルで光が反射することによって生じます。見る角度によってもその表情をさまざまに変化させるこの閃光効果を「ラブラドレッセンス(Labrado-rescence)」と呼びます。
また、フィンランドのラップランドではこの閃光効果が鮮やかな高品質のラブラドライトが産出し、ラップランド産のラブラドライトを現地では特に「spectrolite/スペクトロライト(分光石)」と呼んでいます。


ムーンストーン(月長石)はラブラドライトと同じ長石グループの「orthoclace/オーソクレース(正長石)」のなかの月に似た乳白色の石を指します。ムーンストーンのなかで特に青や虹色の閃光効果をもつものを「ブルームーンストーン(レインボームーンストーン」と呼びますが、この閃光効果は上記の通り、正長石と曹長石との微細な相互構造によって生じているので、同じ長石グループの「sanidine/サニデン」「anorthoclase/アノーソクレース(曹微斜長石)」「albite/アルバイト(曹長石)」「oligoclase/オリゴクレース(灰曹長石)」などもカボッションなどに磨いた時に青や虹色の閃光効果を発すれば化学組成が違っても「ブルームーンストーン(レインボームーンストーン)」と表現されています。ラブラドライトにはよく知られたグレーの石のほかに半透明の白い石があり、同じ構造で閃光効果を発しているので見た目に違いはわかりませんが、玉屋では白のラブラドライトは別にホワイトラブラドライトと表記しています。
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