jade

ジェイドと呼ばれる石は鉱物学的には「jadeite(ジェダイト/翡翠輝石)」と「nephrite(ネフライト/軟玉・角閃石・通称:中国翡翠)」に分けられます。アジアのジェダイトの最大の産地はミャンマーで、18世紀になって大量のジェダイトが中国に輸入されるまで、中国でのいわゆる翡翠はネフライトでした。

世界的にみてジェダイト及びネフライトの総称としてのジェイド(通称:翡翠)は神聖な石として価値をもっていました。古代中国では翡翠は玉(ユー)と呼ばれ、「陽」あるいは「宇宙エネルギーを具現化したもの」と考えられていて、それゆえに命を与える力を有している石として道教では不死を約束する石と信じられていました。孔子は翡翠の儀礼的重要性を認識していて、中国の封建的貴族制度のそれぞれの階級ごとに石を割り当て、皇帝だけが翡翠を身に着ける資格があるという認証システムを導入して権力構造を構築するのと同時に翡翠の価値も高めました。

またメキシコ、中米、南米のネイティブにとっては翡翠は文化的価値を持っていました。翡翠は水と植物の生長のシンボルであり、金よりも貴重なものとして扱われました。メキシコのオルメカ人は3000年前頃に翡翠を最初に見つけ彫刻をした原住民で、翡翠は仮面や神々の彫刻、儀式用品などを彫るために用いられ、中米文明では貴族階級のステータスシンボルとして翡翠の彫刻物が機能していました。

ジェダイトにもネフライトにもさまざまなカラーバリエーションがあり、白や淡緑、褐色などは共通の色としてとても似ていますが、青や薄紫やピンク、赤や黒などはジェダイドに特有の色のようです。



青緑色の龍のジェダイト(翡翠輝石)
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