superseven/lepidocrocite


エスピリット・サント州産のスーパーセブン

「スーパーセブン」という名で流通している石は、「セイドリックセブン」「メロディーストーン」などと呼ばれていますが、クリスタルに不純物が多いだけの屑石だ、という人もあれば、至高のパワーストーン!という人もあり。玉屋としては「通称」という認識です。

ブラジルのエスピリット・サント州で採掘されたアメジストエレスチャル(エレスチャル:水晶の内部と外部とで成分濃度の差が生じて、外部の成長よりも内部の成長が遅く、結晶が複雑化している水晶。骸骨水晶:Skeletal crystalとも。)にゲーサイト、レピドクロサイト、ルチル、スモーキークォーツ、カコクセナイトが加わった7つの鉱物(元石がクォーツ+アメジストなので7つ。)で構成されたものがみつかり、それをヒーラーがスーパーセブンと呼んだことからパワーストーンとして有名になり、ただ、7つの鉱物すべてで構成されている石はほとんど無いとも言われていて、7つそろっていなくてもこの鉱山から採掘されたアメジストエレスチャルはスーパーセブンと呼ぶ、と。これがスーパーセブンの概略のようです。



エレスチャル(骸骨水晶)。
外側と内側の結晶の成長速度が違うので
外側は滑らかでも内部はサランラップを丸めたような景色。


パワーストーンという側面から見ればそれが本物である証明のひとつとしてどこで採掘されたかを確かめることで一定の判断できるでしょうし、そもそもある程度の大きさの原石からカットして市場に出回ることを考えれば「同じ鉱山なら7つじゃなくてもスーパーセブン!」ということも言える訳ですが、パワーストーンという名の下でそれが流通量や価格に影響するとすれば注意しないわけにもいきません。

以上のような状況から、玉屋のスーパーセブンは、ソーティング(宝石鑑別)を専門機関で常時やっていて、現地へ直接買い付けにいっているお店から『ブラジルのエスピリット・サント州で採掘された通称スーパーセブン(7種類はない)』というクォーツのなかで、特に玉屋が気に入った色と景色と形のものを購入して玉屋物を制作しています。

私自身はレピドクロサイトとルチル(赤系・黒・シルバー)が織り成す景色がとても好きで、そこにアメジストの要素があったらもう最高!という感じです。7種類あるかどうかは最初から問題にしておりません。高価なので玉屋に並ぶのもそう頻繁ではないでしょうが、お求めいただきましたら是非その景色をお楽しみいただけたらと思っております。

玉屋での表記といたしましては、ブラジルのエスピリット・サント州の鉱山から産出されたものに関しては『スーパーセブン』、上記以外の産地からの産出&産地不明の『通称スーパーセブン』に関しましては「レピドクロサイト」や「アメジストエレスチャル」等そのクォーツの景色でもっとも特徴的な名称で記載いたします。『アメジストエレスチャル』という呼び名については、先に記しました生成過程の特徴を持つエレスチャルではなく普通のクォーツに主にレピドクロサイトやルチルが内包されている石が『アメジストエレスチャル』と呼ばれてもいて、いろいろいわくのある『スーパーセブン』という名称を避けてこう表記されていることが最近では多いように思います。玉屋ではできるだけその石の景色に即した名称で記載していきたいと思っておりますのでご了解いただけましたら幸いです。

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