えゐち・ewichi/小田 光・Hikaru Oda

 

2002年よりビーズアクセサリー製作を始める。

2003年・2004年に日本アートアクセサリー協会主催のコンテストに出品。
『発掘された埋葬品』というコンセプトの作品で入選。

2003年入選作品 『来し方』(首飾)

2004年入選作品 『来し方・Ⅱ』(指輪)


その後オーダーメイドアクセサリーの製作を始める。

2005年より衣装合わせから立ち会う
完全オリジナルオーダーのブライダルアクセサリーの製作を始める。 

 

 T.M.様ウェディング/クラウン

同じ頃、都内セレクトショップやネットショップでオリジナルアクセサリーの販売を始める。

2006年よりすべての製作活動を休止。

2008年7月20日、『玉屋えゐち』スタート。

2010年1月、10余年勤務したジャズインディーズレーベルを退社し、アクセサリー作家として独立。

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●玉屋的石の表記、派生することなど。

玉屋のアクセサリーはさまざまな素材で構成されていますが、一般的に『天然石』『パワーストーン』と呼ばれる石もその素材の一つとして使用しています。『天然石』という呼び名には「未加工の自然石」というようなイメージがあり、さらにこうした石にはいわゆる『パワーストーン』として「大地の力を内包してその力を持つ人にももたらすもの」というような効能が期待されていたりもしますが、玉屋ではこの『天然石』『パワーストーン』という2つの表現を排しています。

『天然石』として流通していて、宝石も含めた私たちが手に入れられる範囲の価格のもので、人工的処理がなにも施されずに流通しているものは実はほとんど存在していません。石の価値をより高めその素材の良さを引き出すための加熱・含浸・充填等の改良としての「エンハンスメント」や、着色・コーティング・表面拡散・放射線照射等の素材改変としての「トリートメント」は認知容認され、そうした加工は素材の価値を高めるために積極的に行われており、純粋な意味での「未加工の自然石」ではなくなっています。
大地から掘り出したままの「鉱物(ミネラル)」にはまた別の取引世界の価値体系と流通経路がありますが、そうして産出したものを磨き上げることで宝石となったり、玉屋でも使っている宝石よりもはるかに手軽な価格帯のアクセサリーの素材としての石となります。玉屋ではそうして人の手が加えられた石を素材として使用しているので、たとえイメージといえど、そのイメージを正確に表現していない、付加価値をつけられた表現としての『天然石』という表記を排しています。
ただ、こうした加工があるからといって石がイミテーションであるわけではありません。玉屋のこだわりはこだわりとして、お客様の不便を招かず玉屋の眼を通して選んだ素材を楽しんでいただくために、石の名称については一般的に流通している名称を表記しています。

私が素材としての石を選ぶときは主に石の「色」「姿」「景色」を中心にグッと惹かれた石を選んでいます。「惹かれる」ということがいってみればその素材と波長が合ったからだともいえるわけで、そういう意味では石にはエネルギーがあって私はそれを感じているといえます。けれどそのエネルギーというのは私の創造的欲求を突き動かすようなとても原始的でシンプルなエネルギーであったり、その石がもつ美しさのエネルギーを目にして楽しみ、触れて感じ、アクセサリーに創り上げることで喜びを得る、というようなものであって、人が石ごとに細かく意味づけした通りのパワーを私は感じませんし、いわれているような効能がたしかにあると感じ分ける能力も私にはありません。私が感じるエネルギーに石ごとの差はありませんし、私は意味からさかのぼって石をアクセサリーに取り入れることもありませんので、こうした理由からお客様にパワーストーン的な石の効能を保証することはできず、それに類する表記も排することにしています。

私がお客様にお約束できるこうした精神的なパワーの何かがあるとすれば、それは、その素材とめぐり合えたことを幸運に感じ、楽しみながら一所懸命創り、「どうか大事にしてもらえますように。」と念じながらお届けし、そしてもっとも重要なのは、私のアクセサリーを手にしてくださったお客様がすこしでも暖かくやわらかい気持ちに包まれてくださるようにという願いだけです。

そしてこうした理由から派生して、玉屋ではレシピやキットを販売しません。同じように見えてもデザインは日々変化していてレシピで表現してお伝えすることは不可能で、素材との出会いの数には限りがあり、そして何より、私自身が一つ一つお創りして初めて『玉屋物』として成立すると考えているからです。

私のアクセサリーを愛してくださる皆さんの笑顔を胸に、願わくば天然石の謂れもパワーストーンの効能も超えた『玉屋物』を感じていただけるよう、日々楽しく励んでまいります。

2008/07/20 玉屋えゐち/小田 光
 

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